地球にも、娘の個性にも寄り添う「ラン活」。魚網から生まれたランドセルumi

片腕の娘と選んだ、海を綺麗にするランドセル。メーカーさんが届けてくれた奇跡のカスタマイズ

「海を綺麗にするランドセルが、娘の『自分でできる』も叶えてくれた。」

私の環境へのこだわりと、右前腕欠損の娘にとっての使いやすさ。
決して妥協したくない2つの願いが、メーカーさんの優しさによって1つに繋がった「ラン活」の記録です。

※ここでご紹介する対応や納期は、あくまで我が家の場合のエピソードです。時期や状況によって、メーカー側の対応状況も異なるかと思いますので、検討される際は必ず各メーカーの窓口へ直接ご相談くださいね。

目次

私が「魚網のアップサイクルランドセル」を選んだ理由

エシカルな暮らしと、娘・ペコちゃんのランドセル選び

今は年中の終わりごろから始まる「ラン活」。

「これから6年間、毎日背負う相棒だからこそ、納得のいくものを選びたい」
そう考えて、どんなランドセルがあるのだろうか?と早い段階からリサーチを開始していました。

リサーチを進める中で、私の中にはいくつか譲れないポイントが固まってきました。

  • 身体へのやさしさ:毎日背負うものだから、とにかく軽いこと。そして、肩への負担が少ないこと。
  • 環境への配慮: 私たちの暮らしの軸である、サステナブルな取り組みをしていること。
  • 本人の意思:何より、「ペコちゃん好みのカラー」があること

「機能も、環境も、娘のときめきも。全部妥協したくない」 そんな欲張りな私の願いをすべて受け止めてくれるようなランドセル。 探し続けてようやく出会ったのが、豊岡鞄さんの「umi」でした。

私がこの「umi」に惹かれたのは、サステナブルな背景、子どもたちの体負担への軽減を考えてくれているところにありました。

  • 海のゴミを宝物に:廃棄された「漁網」を回収・リサイクルしたナイロン生地を使用。海洋プラスチック問題の解決に貢献しています。

「海を綺麗にしたい」という大人たちの願いが形になったランドセル。 それが、これからの未来を生きる娘の背中を支えてくれる。 そのストーリーに、私は深く共感したのです。

また、最近よく耳にする「ランドセル症候群(教科書の重さによる心身の不調)」も、私にとっては無視できない課題でした。

特に左右の腕のバランスが異なる娘にとって、重い荷物を背負うことは、姿勢の歪みや肩の痛みに直結しかねません。 だからこそ、umiが「約1,290g(※執筆当時)」と軽量であることや、人間工学に基づいた負担の少ない設計であることは、選ぶ上での大きな決め手になりました。

ランドセル症候群:重すぎる荷物や、体に合わないランドセルを背負い続けることで、肩こりや腰痛、さらには「通学が憂鬱になる」といった心身の不調をきたす状態のことです。

私たちが選んだ「umi」の公式サイトでも、以下のように警鐘を鳴らされています。

「ランドセルが重いことで、通学が苦痛になってしまう『ランドセル症候群』。近年、教科書の大型化やタブレット端末の導入により、荷物の重量は増加傾向にあります。子どもの小さな体に負担をかけないためには、ランドセル自体の軽さと、荷重を分散させる設計が欠かせません。」 (引用元:アートフィアー公式サイトより要約)

運命の出会い:豊岡鞄「umi」の展示会にて

娘がひと目惚れした「ラベンダー色」と、私の安心

私が「これだ!」と惚れ込んだumiのランドセル。 でも、6年間使うのは娘自身です。最終的には本人が見て、触れて、気に入ったものにしようと決めていました。

そんな想いで、年中の終わりに参加した地元での展示会。

それまでは「絶対にピンク!」と言い張っていたペコちゃんでしたが、いざ実物を目の前にして手に取ったのは、意外にも「ラベンダー」でした。

「小物をピンクにしたいから、ランドセルはラベンダーにするの」

そんな大人びた理由で、自分の意志をしっかり伝える娘の姿に、成長を感じて嬉しくなったのを覚えています。

会場では、実際にランドセルを開けたり閉めたり。 右腕の欠損があるペコちゃんにとって、毎日の操作が難しくないかを一つひとつ確認していきました。

「うん、これなら大丈夫そう」

そう確信しかけたその時、ふとある部分に目が止まりました。 それが、ランドセルを体にフィットさせるための「胸ベルト」でした。

想定外の課題:右前腕欠損の娘と「胸ベルト」の向き

umiのランドセルには、体にフィットさせるための便利な胸ベルトが標準装備されています。 しかし、その仕様は「左手でベルトを押さえ、右手でカチッとはめる」という、右利きの方の動作を前提としたものでした。

生まれつき右前腕に欠損があるペコちゃんにとって、この「右手で差し込む」という動作は、難しかったのです。

「もし、このベルトの向きが左右逆だったら、娘の手でもスムーズにできるのに……」

淡い期待と不安を抱えながら、思い切って売り場のスタッフの方に相談してみることにしました。

感動の翌朝:メーカーさんが届けてくれた「安心」

スタッフの方は私たちの話を真剣に聞いてくださり、その場ですぐに動いてくださいました。

「明日、工場に確認してすぐにご返答します! 今日は一旦ご購入いただいて、もし仕様変更が難しい場合は、責任を持って返金対応させていただきます」

翌朝10時すぎには私の携帯電話が鳴りました。

「早速メーカーさんが確認してくれました! ベルトの向き、左右反転での対応可能です!

そのスピード感あふれる回答に、胸が熱くなりました。一人の子どもの「自分でやりたい」という願いを、メーカーさんが真正面から受け止めてくれた。その事実が何より嬉しかったのです。

まさかのスピード納品。5月に届いた「私だけの宝物」

驚きはそれだけではありませんでした。 当初、カスタマイズを含めた納期は「翌年1月」と伺っていたのですが、メーカーさんが最優先で動いてくださったのか、なんとその年の5月には完成の連絡が届いたのです!

手元に届いたランドセルを背負い、自分の手で「カチッ」とベルトを留めた時のペコちゃんの誇らしげな笑顔。

冬の再会:感謝の気持ちが繋がった、ある日の店頭で

パパのカバン選びで偶然出会った、あの時のスタッフさん

ランドセルが届いてから、季節は巡り冬になりました。 ある日、パパの仕事用カバンを新調しようと、あのランドセル展示会が行われた百貨店を訪れたときのことです。

カバン売り場で私たちに声をかけてくださった店員さん。 子どもたちを見て、「こちらには、お子様のランドセルもあるんですよ〜」と、いつものように優しくお話を始めたその瞬間でした。

お互いの目が合い、時が止まったような感覚。 「……あ! あの時の!」

そこに立っていたのは、一年前、ペコちゃんの胸ベルトの相談に誰よりも親身に乗ってくださった、あのスタッフさんだったのです。たまたまPOP UPで百貨店に来られていたとのこと。

1年越しに届けられた「ありがとう」

スタッフさんも、ペコちゃんのことを、そしてあの左右反転のベルトのことを、ずっと覚えていてくださいました。

「あのランドセル、無事に届きました。娘も毎日、自分でベルトを留めて嬉しそうにしています。本当にありがとうございました」

ペコちゃんも恥ずかしがりながらも「ありがとう」と。

画面越しでも、手紙でもなく。 一番お礼を伝えたかった方に、奇跡のようなタイミングで、直接「ありがとう」を伝えることができた。

その瞬間、私たちの「ラン活」は、ただの買い物を超えて、誰かに支えられ、見守られた一生の宝物になったのだと感じました。

おわりに:サステナブルとは「誰も取り残さない」ということ今回のランドセル選びを通じて、私は「サステナブル」という言葉の本当の意味を教えてもらった気がします。

海を汚すゴミを減らし、未来の地球を守ること。 それはもちろん大切なことです。 でも、それと同時に、目の前にいる一人の子どもの「自分でやりたい」という小さな願いを大切に拾い上げ、形にすること。 この両方が揃って初めて、本当に「持続可能な、優しい未来」に繋がっていくのだと強く感じました。

もし、お子さんの身体の特性や、使い勝手のことで「ランドセル選び」に不安を感じている方がいたら、どうか諦めないでください。

親が「これがいい!」と信じるこだわりと、お子さんの「これが好き!」というときめき。 そして、その想いに寄り添ってくれる温かいプロフェッショナルたちが、きっとどこかにいます。

娘がラベンダー色のumiを背負って、元気に小学校へ通う姿を見るたび、私はあの展示会での出会いと、翌朝の電話、そして冬の再会を思い出します。

このランドセルは、娘にとってただの鞄ではありません。 「あなたのことを大切に想い、支えてくれる大人がたくさんいるんだよ」というメッセージが詰まった、世界に一つだけのお守りです。

私たちのこの経験が、これから新しい一歩を踏み出すどなたかの背中を、優しく押すきっかけになれば嬉しいです。

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